米粉専門のパン作り研究家の酒井 佑佳さん
米粉専門のパン作り研究家の酒井 佑佳さんに、今頑張っている女性としてインタビューを行いました。
頑張ってきてよかったこと
母親の病気をきっかけに、制限食をなくしたいと思い、制限する側から食べられるものを提案していける側になりたいと思ったので、米粉専門のパン作りを行うようになりました。
モニターレッスンを、米粉を扱い始めてから1ヶ月後に開催しようと思っていたので、当時は会社に勤めながら毎日仕事に行く前にパンを作って、帰宅後も夕食の準備をしながらパンを作って、、という忙しい時期がありました。
1ヶ月ほど忙しい時期が続いていましたが、そんな中モニターレッスンに15名ぐらいの方からお申し込みがあり、この日に向けて頑張ってきてよかったなと思いました。
今でも仕事と家庭の両立で大変なこともありますが、作ってくださった方から”子供が初めてこのパンを食べられました””佑佳さんは我が家の救世主です!”といっていただいた時に、もっともっと美味しいものを作っていきたいし、喜んでくれる人のために私も頑張っていきたいなと思っています。
ある1日のスケジュール
今はなかなか対面のレッスンができない時期ですので、新しく講座を作ろうと思い、下記のような1日のスケジュールが多いです。
7:00~起床
9:00~娘を保育園へ連れて行く
10:00~パン作りの動画撮影を行う
16:00~娘を迎えに行く・夕食の準備を行う
19:30~夕食など
22:00~就寝
始めたばかりの頃の苦労話
米粉と小麦粉の生地は全然違い、小麦粉のパンのように成形ができなかったり、こねる生地でなかったりと毎日試作をしては失敗しての繰り返しでした。
その頃失敗してしまったパンを、私と旦那の二人で毎日のように食べていたのは、当時はちょっと大変でしたが、今思えばとてもいい思い出です。
仕事中の失敗談と乗り越えたエピソード
現在は、自宅でパン教室を行っているのですが、当初はレンタルキッチンを借りて教室をしていました。そのため、材料や道具を全部自分で運んでレッスンしていたのですが、米粉のパン教室なのに米粉自体を忘れてしまった時があって…。近くのお店にあった米粉を急遽買ってきたのですが、米粉も種類によって使用する水分の量が異なるんです。その時は、買ってきた米粉で、いつもより水分の量を減らしてパンを作ることができたのですが、後日、いつも使用している米粉を使った時のレシピもお送りすることで事なきを得ました。
この仕事のやりがい・よかったこと・嬉しかったこと
教室に通われる生徒さま自身や生徒さまのお子様が食物アレルギーを持っていらっしゃる時があります。ある日、小麦粉のアレルギーをお持ちのお子様がいらっしゃる生徒さまが、今回、米粉を使用して初めてお子様においしいメロンパンを食べさせることができましたと喜んでいただけた時は嬉しかったです。
この仕事の苦労・大変なこと
米粉パン自体は、結構昔から作られている方もいますが、まだまだやはり新しく、最近になって少しずつメジャーになってきた印象があります。まだまだ成長途中であると感じているので、より美味しい米粉パンを作るために、日々情報を仕入れて知らないことをどんどん学んで広めていきたいと思います。
他には、教室ではアレルギーを持っていらっしゃる方がけっこう多くいらっしゃいます。実際、材料に入っていない場合でも、「コンタミ」(「混入」を指す。食品を製造する際に、原材料としては使用していないにもかかわらず、特定原材料等が意図せずして最終加工食品にコンタミネーションしてしまう場合がある。=参照 BtoBプラットフォームさま)が原因でアレルギーを引き起こすこともあるので、常に気をつけています。
仕事を続けるために努力していること
私自身、この仕事を始めたのは3年前(2020年時点)ぐらいからで、まだまだ上手く作れない時もあったりします。
毎日米粉に触れるようにして、いろいろなパンを作ったり、常にパンの情報を入れるために、パン屋さんに行ったり日々SNSで美味しそうなパンの写真を調べたりしています。
また、失敗した時は何がいけなかったのか見直し、水数グラムの調整からレシピの修正を行っています。
この仕事に対する3つのこだわり
常に新しいものを考えるようにする
お客様に感謝する
常に今の自分に満足せず、努力を怠らないようにする
この仕事をする際に気を付けていること
コンタミが起こらないようにする
食物アレルギーに関して常に学ぶ
言葉遣いを意識する
世間にこの仕事をアピールする方法
Instagramをメインに更新していますが、Instagramを通じてお客様がいらっしゃることが多いので、Instagramの発信を続けていきたいと考えています。また、書籍で取り上げていただくこともあるので、そういったご縁を大切にしていき、自分のやりたいことや思いを今後も広めていきたいと思っています。
仕事とプライベートの両立で工夫している3つのこと
・毎朝1日の計画を立て、隙間時間を有効活用したりと時間管理を工夫する
・休日はなるべく家族との時間を大切に過ごすようにする
・いかに効率良く動けるかを考え、二度手間になるようなことを避ける
日常生活で意識していること
仕事もプライベートもどちらも楽しみたいと思っているので、堅苦しく何かを意識するということは無いように過ごしています。ただ、最近は、まず自分が楽しんでいないと、家族も笑顔になれないし、生徒様を笑顔にすることも難しいと考えるようになったので自分自身が楽しむためには?自分が楽しいことってなんだろう?と常に自分に問いかけるよう意識をしています。
頑張れるモチベーションの見つけ方
私自身がテンションが高くないと仕事ができないので、なんとなくモチベーションが下がっているなと感じたら、仕事を一回休み、本当に今やりたいと思っていることに思い切って時間を割くようにしています。
偉人の言葉を読んで背中を押してもらうこともありますし、デジタルシャットダウンをして娘の服を作ったり、娘の写真を撮ったり。
一度パン作りから離れることで、自然とまた作りたい!と思うし、急に今まで湧かなかったアイディアが出てくることがあり、それがとても面白いです。
アピールポイントはありますか?
当教室は、特定原材料7品目不使用で作るので、食物アレルギーの方でもご安心して来ていただくことができます。もちろん、食物アレルギーのない方にもきていただけたら嬉しいです。
また、遠くにお住まいの方向けにオンラインサロンを運営しています。教室と同じメニューを教えていて、200名以上の会員様(2020年時点)がいらっしゃいます。
仕事以外で夢中なこと
娘の洋服をミシンで手作りすることです。ミシンを使うのが上手い知り合いがいるので、その方に教えてもらいながら、娘のワンピースを作っています。家庭菜園にも興味を持っています。
今後の目標を教えてください。
自分の母が持病を患っていて、食事制限されてしまったことがきっかけで、米粉に関わることになりました。そのため、何か食事制限されている方もそうでない方も、ご自身で食を選択できる時代が来てほしいと感じています。誰でも口にできる米粉を使ってレッスンをすることで、家族や大切な人と同じ食べ物を食べられる幸せを世の中に広めていきたいなと思っています。
また、米粉は、小麦粉の代用のイメージも強いので、米粉自体の魅力を広めていき、家庭で気軽に米粉パンを食べるという生活を当たり前のものにしていきたいなと思っています。
今後挑戦してみたいことは?
パン教室をメインで行っていたので、料理やお菓子といった教室・講座を開講したいです。また、当教室の認定講師の方も徐々に増えておりますので、講師を通じて、皆さんが同じものを食べられる幸せを広められたらなと思っています。
今目指している人に伝えたいこと・応援メッセージ
できるできないよりも、やるかやらないかがとても重要だと、この何年かで感じました。
今得意なことがなかったとしても、好きなことをやり続ければそれは必ずできることに変わってきます。
パン教室を開きたいということであれば、以前に比べたら米粉のパン教室もたくさん増えてきたので、実際にそういうところに学びにいき、自分が今後どのようにしていきたいのかを考えるのも一つの方法だと思います。
私自身、3年前は米粉に触ったこともないど素人でした。しかし、”制限食をこの世から無くしたい”という想いでここまでやってこられました。
自分の叶えたい夢があるのなら、失敗を恐れずに、叶えた後の自分を想像して、何か一歩でも行動を起こしていただけたら私も嬉しいです。
活動内容
酒井佑佳さんの活動内容を知ろう!
特定原材料7品目不使用の米粉のパン教室”パンダフル工房”を主催しております。
また、遠方の方や子育て中でなかなか教室に足を運べない方向けに、毎月500円で米粉のパンやお菓子が学べるオンラインサロンの運営もしております。
最近では、単発レッスンのほか、認定講師育成レッスンや、”米粉でタベタイ”を6ヶ月で叶えるコースレッスン”こめこるカレッジ”も開講しています。
そのほか、マルシェや自然派食品の店舗様にて米粉パンの販売も行っています。
プロフィール
酒井 佑佳さかい ゆか
母の病気をきっかけに、”制限食をこの世から無くしたい、みんなで同じものを食べられる幸せを伝えていきたい”と強く思うようになり、ドラッグストア、クリニック勤務を経てフリーランス管理栄養士になりました。
現在は米粉専門のパン作り研究家として、アレルギーの子でも食べられる特定原材料7品目不使用の米粉パン教室やオンラインサロンの運営、マルシェや店舗様にて米粉パンの販売を行っています。
制限食を無くしたい!家族皆で楽しめる食事を|米粉専門のパン作り研究家の酒井佑佳さん|NOW SARA vol.27
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