★ローカルブランディングプロデューサーの小値賀 布美華さん
2つのスイーツブランド代表、そしてローカルブランディングプロデューサーの肩書を持つ、小値賀 布美華さんに、今頑張っている女性としてインタビューを行いました。
この仕事を始めたきっかけは何ですか?
拠点としているのは大好きなふるさと、長崎県平戸市。ただ、過疎化が進み、少子高齢化や様々な課題を抱えています。自然豊かな地域資源、歴史などの観光資源、多様な食資源がありながら、この課題の裏側でブランディングの考えや方法が浸透していなかったり、現代に必要なデジタル活用ができていない現実を見て、自分でやってみて、周りに伝えて行こうと未経験の専業主婦から、起業を決意しました。また、ママになったことで、子供たちに生き方を伝えられるようになりたいと思ったことも、大きなきっかけになりました。
小さい頃からこの仕事に興味がありましたか?
小さな頃からお菓子を作るのが好きで、家族のバースデーケーキを作るのは私の仕事。お菓子は見た目も可愛く、作るプロセスも楽しい。製菓学校に行ったこともなく、製菓店で働いた経験もない、それでもSNSを活用してスイーツブランドとして起業することになったのは、小さな頃からスイーツを作るのが大好きだったから。
また、どちらかと言うと健康意識が高い家庭だったので、自然派の食品が身近にあり、私自身も添加物が使われているものに反応してしまう体質でも。素材へのこだわりの強さの理由はここから来ているのかもしれません。ホームページ制作やSNS活用は、10代からやっていたので、得意を活かして起業をしました。
仕事内容について教えてください。
ブランドセグメントをファミリーなどのカジュアルラインに設定し展開している「心優-CotoyuSweets-」、百貨店、ラグジュアリーホテルのウェルカムスイーツ、大人のご褒美スイーツとして展開している「firando」の、2つのスイーツブランドを経営しながらマーケティング、ブランディング、SNS運用支援、デジタル活用支援のコンサルティング会社「RIG」を設立しクライアントワークを行っております。
セミナー講師として立たせていただくこともあります。
最初の仕事の思い出は?
起業準備の段階からアメブロ、Facebook、InstagramとデジタルやSNSを活用し、オープンまでにお客様がいる状態を目指していたところ、「おもしろい起業ママがいる」とローカルテレビ局から密着取材を受け、特集として放送していただきました。するとオープンにはたくさんのお客様がいらしてくださりたくさん用意したスイーツが30分で完売に。過疎地でも、資金がなくても、0からでも、想いを持って発信し続けることで、こんなに結果が出るのかと驚きましたし、自信を持つことができました。
ある1日のスケジュール
~6:30 起床
~7:30 家事など
~8:00 トレーニング
~8:30 準備(準備をしながら動画を流して勉強)
~9:00 仕事開始。タスクの整理。常時20~30のタスクを抱えています。ブランドごと、クライアントごとの進捗を毎日確認して、優先順位を整理し、確実に進むように管理。
12:00~13:00 ランチ休憩
13:00~18:30 一旦帰宅し、家事。時間は変動しますが、仕事が残っていても切り上げて、ママ業にチェンジ。子供達が寝てから、必要な仕事を再開。
22:00~24:00 お風呂やセルフケアタイム。お酒を頂いたり、Netflixを見たり。自分の時間もしっかり確保して、ストレスケアを。
この仕事をしていて嬉しかったこと
スイーツブランドを通して、ふるさと平戸市を知ってくださる関係人口が増えたこと。より深くブランディングしたfirandoでは、県の賞を受賞。これをきっかけにテレビや新聞などのパブリックメディアの取材もあり、県内のお客様がとて喜んでくださいました。
また、SNSやデジタル戦略、マーケティングやブランディングなど、地方ではまだまだ浸透していない知識を実践を持ってみなさんに伝えているため、「まったくわからなかったし、使わなくていいと思っていたけど、やってみます!」と前向きなお話をたくさん頂いたり、実際にどんどん活用してお客様が増えていたりと、本当に役立つスキルの提供ができていると感じられることです。
またコンサルティングのクライアントワークでは、どのかたも素晴らしい実績、経験、また熱い想いを持ってらっしゃいます。その深い部分に触れ、やりとりを繰り返して基盤を強く組み直し、デジタルを使ってより拡大を生む併走ができることも、嬉しい日々です。
モチベーションの保ち方
モチベーションで仕事をする、という感覚を持たなくなりました。やりたいことだけをやるのではなく、作りたい世界のために必要なことを、淡々と積み上げて行く。やると決めたことをやる、感情ではなく、シンプルな理論を軸に持つようにしています。右脳の感性優位な女性はどうしても、感情や感覚で仕事をしてしまう瞬間があります。それをちゃんと自分で理解して、それでも楽しく継続できるような工夫をして、コツコツ継続していくのが起業して習慣になりました。
いつも仕事に持ち歩いているもの
パソコン・スマートフォンなど、必要最低限を持ち歩くようにしています。バッグもなるべく小さめにし、身軽に移動できるようにしています。また、Facebookでスケジュールを管理しています。
仕事とプライベートの両立で工夫していること
自身で仕事を手掛けていると、仕事とプライベートの線引きがそもそもありません。この時間は家族との時間、美容院の時間、などといくつかの枠を決めておくことはしますが、頭の中が仕事を勝手に考えているのが、私のプライベートでもあります。
起業して結果を出すのは、それだけ夢中になれるか、ということでもあると思っています。量を積むことで、質が上がる、量質転換という言葉がありますが、事実だと感じています。単純に、私は考えることが好きだし、それを実際にやって行くのが好き。そして得意です。頭の中に描いたものを、実現していくことに面白さがある。もちろん大変なことの方が圧倒的に多いですが、その大変さこそが、生きる楽しさ、面白さでもあるんですよね。
この仕事に対するこだわり
クライアントさまとのやり取りを密に行うことです。ブランディングでは、クライアントさまから得る情報が一番重要です。大切な業務なので、丁寧に行います。
クライアントさまや、手掛けるサービスが、どんな未来を、世界を作るのか。ブランディングはクリエーションであり、マーケティングであり、基盤でもあります。時代にフィットさせながら、「独自の付加価値」は何か、それをどうサービスとして、事業として成り立たせるか、併走して作り上げる仕事ですから、信頼関係を大切にしています。
この仕事をする際に気を付けていること
スイーツブランド経営でも、コンサルティングの仕事でも気をつけているのは「学び続けること」。時代は常に変化していますし、特に現代はVUCAと呼ばれる、不透明さがあります。ベストな選択ができなかったとしても、学び続けていけば修正ができます。
クライアントワークで気をつけているのは、よく聞くこと。デジタルの仕事は情報が重要なので、奥の奥から情報を引き出すことができないと、クライアント様の価値や想い、メッセージを表現することができません。また、クライアント様の次のステージを作るためには、最高にキラキラした世界をイメージできないと、積極的な設計をしていけません。ブランディングの仕事は、重要で、クリエイティブで、豊かな未来の価値を生み出すもの。
どの仕事にしても共通しているのは、「一生懸命やること」ですね。気をつけてるわけでもなく、当たり前にやっている気がします。笑
この仕事を行いたい人が身につけておいた方がいいこと
スイーツブランド経営、コンサルティング会社経営と私がしていることは多岐に渡るので、ひとつひとつをピックアップするとキリがないですから笑
【地方起業する上で、身に付けておいた方がいいと思う点】をピックアップするとしたら周りが「無理だよ」と言ったとしても、その意見を一旦置いておいて、「果たして本当にそうなの?」と自分の頭で、そして行動で確認してみることです。地方には届いていない知識、やり方、ツールはたくさんあります。心配して「無理だよ」と反対なさる方はその方法を知らないだけの可能性も、充分にあるわけですよね。
周りには、行動や結果で示せば、徐々に応援者に変わってくれます。それまでは孤独かもしれない。でも一生懸命に夢を追い続ければ、結果が少しずつ現れて、同時に仲間も増えてくると、私自身の経験を持って伝えることができる。
地方起業はまだまだ少ないですが、支援していくためにコンサルティング会社を立ち上げました。地方を盛り上げる仲間を増やしていきたいと思っています。
活動内容
スイーツブランド経営
スイーツブランド「心優-CotoyuSweets-」、「firando」を経営。地方起業事例として、多数のメディアの注目を浴びる。
コンサルティング会社経営
スイーツブランド経営を通して、デジタルスキルを獲得。スキルを生かして、地方でのメディア事業・セミナー事業・コンサルティング事業を実施する。
プロフィール
小値賀 布美華おぢか ふみか
資格、実務経験、人脈、資金、すべてゼロの専業主婦が、人口3万人の田舎で2016年に起業。SNS・デジタル戦略で全国に売上拡大。
第2ブランドfirandoを2019年に設立後、2ヶ月で百貨店取扱&東京進出を達成。看板スイーツMANGETSUが、長崎県特産品新作展、最優秀賞受賞。長崎、福岡、東京と、ハイソサエティ向けブランドとして百貨店、ホテルに向けて展開し、マカオ、台湾などと商談も進行中。
ローカルビジネスのためのマーケティング・ブランディング・事業設計・ホームページ制作のトータルプロデュース会社RIGを2020年7月に設立。クライアントワーク、セミナーなどを展開しながら、ブログでブランディングに必要なスキルを発信。小学生男の子ふたりのママ。
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