★音楽療法インストラクターの水沢 祐里さん
療法的音楽活動を通して、多くの人々の心と身体がより健やかになるようサポートを行っている水沢 祐里さん。
そんな水沢 祐里さんは、障がいのあるお子様中心にセッションを行う傍ら、音楽療法と健康を結びつけるために、健康カウンセラーとしても活動をされています。
常に「私だからできること」を考えて活動をしているという水沢 祐里さん。
音楽と健康を組み合わせるといった、音楽療法士としてこれまでにはない新たな形で活動をされるのには、ある理由がありました。
様々な過程を経て、大好きな音楽に携わるお仕事に就かれた水沢 祐里さんのお話は、自分の働き方や生き方を模索している人々の心に響くのではないでしょうか。
今回は、今頑張っている女性として、水沢 祐里さんにインタビューを行いました。
仕事(活動)内容について教えてください。
障がいのある子どもたちを中心に療法的な音楽活動を行っています。
音楽が持つ特性を活かしながら、一緒に歌ったり楽器を演奏したり。
クライアントの気持ちに寄り添うことを心がけながらコミュニケーションを図ることで、心と身体がより健やかになるようなサポートを行っています。
セッションのプログラムはクライアントの抱える問題や性格に応じて事前に組みます。
しかしその日の体調や気分、使用する楽器の音の好き嫌いもあるので、その時々で臨機応変に対応するように意識していますね。
お仕事は、新潟県にある音楽療法士協会に登録をしているので、協会経由でご依頼をいただくこともあれば、自ら施設や学校に出向き、ご提案をさせていただくこともあります。
現時点では、音楽療法というもの自体、なかなか浸透していないので、直接お会いして、その効果を知っていただけるよう努めています。
また、音楽療法と健康を結びつけるために、健康カウンセラーとしても活動をしています。
生い立ちを簡単に教えてください。
振り返ると、ずっと音楽に携わっていたと思います。
3歳から10年間ほどピアノを習っていて、学生時代は吹奏楽部やダンス部など音楽関係の部活動に所属していました。
その後、音響を学ぶために専門学校に進学し、就職はNHKの制作会社でマスコミ業界を経験しました。
音楽とは別の分野でも働いていましたが、どうしても「音楽を通して沢山の人を元気にしたい」という想いが強くて。
そんな時に音楽療法に出会ったんです。
これまでは、音楽に従事する仕事と言えば、ピアニストや歌手など才能のあるごく一部の人だけがなれる職業しかイメージが出来なくて。
だから、私には音楽を生業にすることは出来ないと思い込んでいたんですよね。
けれども、「音楽療法」というものを知って、どうしてもこの仕事がしたいと思うようになり、働きながら資格を取得しました。
結婚を機に退職をして、地元に戻ってきたタイミングで音楽療法の仕事を始め、今に至ります。
このお仕事に興味を持ったきっかけは何ですか?
2o代後半で体調を崩し、病気になったことがきっかけで自分の生き方や、本当にやりたいことを考え直しました。
その際に、やっぱり私は音楽が好きで、これまで辛かったときに何度も音楽に助けられたことから、「音楽で誰かを助ける仕事がしたい」「たくさんの人を元気にしたい」と思い始めたんですよね。
そこで初めて音楽療法という言葉に出会いました。
私のやりたかったことは、【音楽×健康】だと確信し、音楽療法インストラクターとメンタル心理ミュージックアドバイザーの資格を取得しました。
今は、たくさんの人の心と身体を元気に、健康に、幸せにしたいという想いで活動をしています。
一人一人の悩みに寄り添い、一緒に頑張れる環境づくりができるような人でありたいです。
そのお仕事から収益を得る為にまず始めたこと、そして現在行っていることは何ですか?
職能団体としている新潟県の音楽療法士協会に入会しました。
そこから他の音楽療法士さんと繋がりをつくり、一緒に活動をさせていただいたり、お仕事をいただくようになりました。
協会へは、自ら講習会に出向いた際にお声がけいただいたんです。
当時は、資格を取得してからがスタートだと思っていたので、積極的に行動するようにしました。
やっぱり「音楽でたくさんの人を幸せにしたい」という気持ちが原動力になっていたと思います。
また、私の場合は有難いことに、フリーランスとして活動をしている周りの方々が多いので、「自分も頑張らなきゃな」という気持ちで行動することが出来ています。
最初の仕事(活動)の思い出は?
音楽療法という言葉の認知度がとても低いので、どんな方に対しても言葉で説明し、活動内容を理解していただくことがとても難しかったです。
世間にこの仕事(活動)をアピールする方法はありますか?
どのようにすれば興味のない方や全く違う分野のお仕事の方々にも知ってもらえるのかなという事を常に考えながらSNSの発信を行っています。
SNSの中でもInstagramは特に試行錯誤しながら発信出来ているのではないかと思います。
Instagramの投稿は写真が主だと思いますが、私が伝えたいことは文章なんですよね。
音楽療法を含む医療系は、お仕事の様子を撮影し投稿することは出来ないので、なかなか私の発信したいこととInstagramはマッチしていないと感じて。
その中で、私の投稿に目を留めてもらうには、やっぱり写真に力を入れようと思ったんです。
カメラマンの方々の写真を沢山見て、撮り方などを研究しました。
音楽療法とは直接関係のない私の出来事や、風景の写真を綺麗に撮影するように心がけて、まずは私自身に興味を持っていただけたらなと思っています。
最終的には、そこから私が綴る文章等も読んでいただけると嬉しいですね。
私の想いを沢山の人へ伝える事が出来るよう、様々なきっかけを作りたいなと思っています。
ブログに関しては今年に入ってから始めたので、まずは継続できるように頑張りたいです。
実は始めるときに1か月に1o記事アップしようと目標を立てたんです。
今のところ半年程は続けられているので、この調子で頑張りたいですね(笑)
SNSの発信以外では、様々なところで出会った方々に、自分の口で自分の活動をきちんと話せるように心がけています。
ある一日のスケジュール
午前中に出来る限り家事を済ませて、自分の身支度をして。
お仕事が午後にあるときは、お昼くらいにその日セッションで使う予定の曲をピアノで練習します。
先日は、午後にカフェで打ち合わせをして、そこからお昼過ぎに学校に向かい、40分間のセッションが2回ありました。
ちょうどその時は、小学生と中高生で、合わせて2回セッションをさせていただきましたが、基本的には1回の時が多いですね。
その後、一緒にお仕事をさせていただいた音楽療法士さんと振り返りをして、夕方頃に帰宅しました。
夜はSNSの発信を行います。
ただ、その日のスケジュールによって異なるので、ゆったりと過ごす日もありますよ。
お仕事をされていて心から良かったと感じることを教えてください。
お子さんが音楽療法の時間を楽しみにしているというお話を保護者の方から伺ったり、何かその子にとってプラスになる瞬間があるととても嬉しいです。
例えば、その子が新しい表現ができたり、コミュニケーションができたりという瞬間に出会えたときは胸がいっぱいになります。
けれども、セッションを行っている最中に喜びを感じるというよりは、レッスンが終わった後に感想をいただいたり、振り返り行うときに感じる時が多いですね。
お仕事中は、自分主体になるというよりは、常に対象者のことを考えるように意識しているからかもしれません。
この仕事(活動)をしていて大変な事は何ですか?
言葉では説明を行うのが難しい音楽療法を理解していただく事が大変です。
実際に活動として、音楽療法のセッションを体験していただいたり、見ていただくというのが一番分かりやすくお伝え出来るのではないかと思います。
けれども、新しくご提案をさせていただく場合は、やはり言葉で説明をしなければならないので、理解していただくのに時間がかかります。
だからこそ、伝え方やSNSの発信方法など、常に良いアイデアがないかどうか試行錯誤しています。
その他には、音楽や楽器演奏のスキルアップや、医療や心理など様々な分野の知識が必要なので日々の勉強が大変です。
意識して時間を見つけるようにしています。
この仕事(活動)を行う上で、こだわっていること、気を付けていることは何ですか?
常に「私だからできること」を考えて活動をしています。
たくさんの音楽知識を得たかったので、結婚式場で音響のアルバイトをしたり、イベントでDJをしたりしてきました。
これらは、専門学校で音響を学んできた私だからできることだと思っています。
また、音楽療法にプラスして、過去に健康ではなかった経験があることから、誰よりも健康を伝えることが出来るのではないかと自負しています。
SNSでの発信や、新規の方にご提案をする際に、音楽療法だけでなく、健康に関する知識もあることを併せて説明しています。
今後は、セッションを受けてくださった対象の方々に、健康カウンセラーとしての経験もお伝えしたいと考えています。
このように自分の生い立ちや経験を踏まえた上で、オリジナリティを持つことを常に意識していますね。
いつも仕事に持ち歩いているものを紹介してください
リップクリーム、飲み物、内ばきです。
学校や施設で楽器を演奏するとき、スリッパだと動きづらいので内ばきを持っていきます。
あとは歌うことが多いのでリップと飲み物は必須です。
仕事(活動)とプライベートを両立する為に、どのような事を工夫していますか?
一応、仕事をする日と休む日を決めています。
と言いつつも、どうしても常にお仕事のことが頭にある状態になっているかもしれません。
「いいアイデアないかな」と考えてたりしますし、家族でカフェに行ったときとかも、音楽や医療の本を読んだりします。
これはプライベートなのか仕事なのか…と感じるときもありますが、プライベートも仕事もやりたいこともひっくるめた自分の人生なので。
明確に分けることは、あまりこだわっていないです。
このようなお仕事されたい方がまずすべきことはありますか?
音楽療法の大学に行かれるのが一番おすすめではありますが(笑)
私自身がこれまでにやってきた中で、第一に何をすべきかという質問であれば、何か自分の得意な楽器を見つけておくと、音楽療法のセッションの中で活かすことが出来ると思います。
まずは、好きな楽器を見つけることから始めてみるのもいいかもしれません。
最後に今目指している人に伝えたいこと・応援メッセージをお願いします!
音楽療法の事で言うと、対象の方に寄り添うことが一番大切だと思います。
そして同時に「学び続ける」ということも必要です。
音楽療法は音楽、心理学、医療と学ぶことがとても多く大変なんですけどね。
私もまだまだ勉強中ですが、音楽を通して心と身体が健康な人が増えるように、一緒に頑張りましょう♪
そして、全ての人へ世間一般的な働き方とは異なっていたとしても、自分自身が「楽しい!!」と思えるやり方でお仕事って出来るんだよ、という事を伝えたいですね。
行動次第で可能性は広がります。
活動内容
音楽療法インストラクター兼健康カウンセラーです。
児童を中心に療法的な音楽活動を行う【音楽療法インストラクター】として活躍している。
また、自然派を軸とした【健康カウンセラー】としても活動し、多くの人の心と身体がより健康になるようサポートしている。
プロフィール
水沢 祐里みずさわ ゆり
新潟県出身。
音楽療法インストラクターとメンタル心理ミュージックアドバイザーの資格を持ち、多くの人の心と身体を健康にするため活動している。
これまでの自身の経験を生かして、健康カウンセラーとしても活動中。
Instagram @yuuuri1102
ブログ https://ameblo.jp/yuri-musictherapy/
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