★音楽療法カウンセラー、音楽サロン講師・運営 清水 由美さん
音楽療法カウンセラー、音楽サロンの講師・運営をされている清水 由美さんに“今頑張っている女性”としてインタビューをしました。
幼少期からずっと音楽とともに歩まれ、定年退職を期に夢が叶い音楽サロンをオープン、ご自身のサロンを拠点に西日本文化センターや公民館などでも講師活動をされています。
このたび音楽療法の資格を取得され、新たな展開を始められています。
セカンドキャリアを実現したい方は必見のインタビューです!
お仕事内容について教えてください。
音楽サロン<チャント>という自分のお店でいくつかの楽器を教えているのと、西日本文化センターと公民館のサークルでジャズハーモニカ(クロマティックハーモニカ)を教えています。
サロンでは主にジャズハーモニカとフルス(中国雲南省の民族楽器)を教えていて、それ以外の楽器とパソコンは他の方に指導していただき、基本的には運営をしています。
今後は音楽療法の資格を活かした講座を重視していきたいと思い、動いています。
簡単な生い立ちと自己紹介をお願いします。
理髪店の4番目の子どもとして生まれ、長姉とは12歳離れています。
若くして結婚した両親が、コンテストで入賞するなど腕があり山口でデパートの横にお店を構えていたんですが、デパートが火災に遭い、新しくできたお店も焼けてしまったという経緯があります。
借金ができて夜逃げ同然に九州に来た時に私が生まれて、父と母も職人さんみたいな恰好で働いて、貧しい中で生まれました。
私が小学生の頃には安定してきて北九州でお店を持ち、住み込みのお弟子さんたちに囲まれて育ちました。
音楽は小さい頃から好きでやりたかったんですが、両親はお弟子さんたちに支払うお金でいっぱいいっぱいだったのと、あまり教育的な考えを持っていませんでした。
小学校6年生の時にお年玉を貯めて少しオルガンを習ったんですが、教室で先生の代わりにオルガンを弾いたりさせていただいたことでとてもいい経験になりました。
音楽は自分にとってとても大事で、他に取り柄がなく運動も勉強もだめだった中、音楽だけが支えてくれる存在でした。
18歳になって九州大学の前身の九州芸術工科大学で音響設計を受験し二次試験までは通ったんですが、音感テストの経験がなかったのでだめで、すぐ就職をしました。
運よく福岡県職員に採用されて、60歳の定年まで勤めました。
自分のお給料でまずはエレクトーンを習って、その後結婚し子育て期間中は練習時間が取れないこともありましたが、ギターを弾いたりしながら常に音楽に親しんでいました。
職場の忘年会などあれば、演奏させてもらったりしていました。
退職翌日に音楽サロン<チャント>をオープン、事前に計画を進められていたんですか?
元々は仕事を50歳くらいで辞めて、友だちがやっているように喫茶店をしたいなと思っていたんです。
上司に止められていたこともあって60歳まで働きましたが、結果よかったなと思っています。
そういう思いがずっとあったので、60歳の退職を契機に新しい活動を始めました。
現在の活動を始めるにあたってのきっかけ・思いを教えてください。
ジャズハーモニカのコンテストで優勝した経験や、気軽に来て話せる場があったらいいなという思いがあって、でも何せ経験がなかったので講師料を200円くらいにして、洋裁をしている兄が作った服を置いて、10畳くらいの店から始まりました。
国道沿いの店で裏には大型商業施設があり、多くの方には来ていただけましたが、音楽に興味があるというよりも行き場がなくてウロウロしている人もお店に来るようになってしまいました。
みんなを大切にしなくちゃという思い、分け隔てなくという思いもあったことで話すのに疲れてしまって、2年後くらいに音楽のレッスンだけにすると方向転換をして、レッスンに来る人だけに限定しました。
そうするうちに隣の方と縁があったりして、今は2軒分くらいの大きさになっています。
広告を出していないのでレッスンに来る人は限られていて、ホームページができたのも今年の1月と最近なので、10年間くらいは宣伝もせず来た人と私だけが来るという感じで、4~5人とかせいぜい10人くらいでやっていました。
その後、店が広くなったのと同時くらいに、西日本文化センターの方からコンテストで優勝したことをキャッチしていただいて、ジャズハーモニカが珍しいと思われたみたいで、講師の話をいただきました。
これを契機に、生徒が増え出しました。
1クラス5~10人以内のクラスですが、10か所とかになると50~60人と広がり、現在そういう形になっています。
最初のお仕事の思い出はありますか?
人って多様だなと思いました。
福岡県の職員という公務員世界の仲間の中で、来客はさまざまありましたが周囲はそういう人ばかりで40年尽くしてきたので、びっくり仰天な世界でした。
夢が実現できてよかったという感じです。
夢というのも3歳からで、夏休みは母の故郷である田川市で芝居小屋に入り浸っていて、何かしら小さい頃から見に行ったり船の中でちょっとした演芸会みたいなのがあり人前で歌ったりするのが好きだったので、その時は保母さんかそういった演者になろうかと思っていて、それが50年の時を経て、実現したことが嬉しかったです。
音楽療法士としての最初のセッションでは、どこか私自身がカウンセリングを受けているようでじんわりしました。
集客のために始めたこと・現在も行っていることを教えてください。
知り合いとかの口コミでやってきましたが、現在は西日本文化センターとご縁があったこと、10年を経てホームページを作りました。
まだホームページからの依頼はないですが、集客に関してはその3つです。
西日本文化センターでは、新聞に生徒募集や1日体験などの広告を出してくださっています。
ホームページは前々から作りたい気持ちはありましたが、お金がかかるし、どうしようかという感じでした。
大牟田市に住んでいるんですが、昨年の大洪水で被災の指定地域となり、実際自宅も店も床上浸水に遭っていたので個人事業に対して持続化補助金があるのを知り、商工会議所と縁があって未来に向けて構想を立てて文書を作成し、補助が得られたこともきっかけで作りました。
仕事がある日の1日のスケジュールについて教えてください。
朝は体力作りのためにスポーツセンターのプールに行って、そこからは福岡県内と佐賀県周辺を行ったり来たりしながらレッスンを1日に1つか2つ入れています。
夕方から家事を終えて、自宅でくつろいでいます。
隙間の時間を見つけて自分の練習もしています。
お仕事をして心からよかったと思ったことを教えてください。
まずは、夢が叶ったことです。
末っ子ということもあって先生の立場というのが似合わないと思っていたり、指導するなんてとんでもないと思っているところもありましたが、講師という立場になって自分のいいところがまた見つけられたと感じました。
それから、先生というかまだプレイヤーとして活動したいという気持ちがあるんですが、生徒の発表会の最後や、喫茶店でジャズピアノの方とだったり演奏する機会ができたところがよかったです。
お仕事をしていて大変だなと思うことはありますか?
生徒はさまざまで、音楽の経験がある方はジャズハーモニカや他のハーモニカも早く上達されるんですが、経験がない方も70%くらいいて、私のように定年後に何か始めたいと入ってこられる方もいるので、そのような方や譜面が読めない方にも、リズムや表現の部分を教えるというか伝えるというのが難しいです。
教材の模範演奏をとにかく聞いて自分のものにしてという練習方法でうまくはなっていますが、根本のリズム感とか、なんとなくはよく聞こえるけどバチっとはまっていない、というようなところを伝えるのが難しいです。
音楽は楽しいのが最優先だと考えていますが、そういう四苦八苦の苦労や、何とかリズムや音符を自分のものにしようとひたむきな努力をされる方もいて、苦痛ではないのか、もっと楽しめたらいいけれどどうすればいいのだろうかという思いが悩みとしてあります。
お仕事をする上でのこだわり・気を付けていることを教えてください。
「音楽は楽しむ」ということを自分自身も生徒さんにもこだわっています。
そして生徒さんとの縁を大事にするというか、親身になりたいと思っています。
自己研鑽も大切にしていて、自分を磨き、いつまでも人格を向上したいと考えています。
お仕事とプライベートを両立するために工夫していることはありますか?
うまく乗り切るには時間配分をきちんとして、引きずらず、メリハリをつけることです。
猫を2匹、犬を1匹飼っていてお世話も手を抜けないので、バランスを取ることを心がけています。
お仕事以外で夢中なことはありますか?
今はプールで体作りに夢中です。
それから、もうすぐ70歳になりますが自分の能力開発にまだ興味があって、音楽療法もそのひとつだったんですが、まだ興味があるものに新しく取り掛かろうと思っています。
音楽療法(SARAスクールジャパン)の資格取得はテキストを熟読して重点箇所をチェックしながら記憶、課題で振り返り、自分のものにしました。
他に、実際に音楽療法を行っている友人から現場での体験談を聞き、学びました。
今後の目標を教えてください!
自分の店があるので、学んだ音楽療法の資格を活かして活動をしたいです。
私自身も子どものことで苦労したので、40代の時に取得したカウンセラーの資格なども活かしたいなと思います。
地域のカフェ、公民館、文化センターなどで広く音楽療法講座を持ち、縁ある方々と継続した関係を持ち続け、お互いにさらなる高みへ。
音楽という武器を持って、よりよく生きていく力を生み出したいのです。
音楽療法と簡単な楽器レッスンを組み合わせた講座を考えています。
独自性を持った音楽療法で不可能を可能にしていきたいです!
清水さんのようなお仕事をしたい方に向けてアドバイス・応援メッセージをお願いします。
音楽が大好きという気持ちを持ち続けて、やりたいと思ったら行動することと、縁を大事にするということですね。
ダメだと諦めず、きっかけが生まれるところまで情熱や好きという気持ちを持ち続けてください。
活動内容
音楽療法で脳トレ、筋トレ、心身軽く!
音楽には生理的、心理的、社会的、認知的な状態に作用する力があります!!
音楽療法士との関わりを通して、心身の不調から解放されましょう♪
元気と笑顔溢れる毎日にな~れ☆
プロフィール
清水 由美しみず よしみ
定年退職後、福岡県大牟田市に音楽サロン・チャントをオープン。
クロマティックハーモニカ・フルス(中国雲南省の民族楽器)・バイオリン・歌・パソコン講座の他にも、地域交流やボランティア活動の場としてスペースを提供している。
クロマティックハーモニカ道場・一美塾では、「ハーモニカで人生を変えよう!!」をキャッチフレーズに、クロマティックハーモニカの普及・啓発と後進の育成に力を入れている。
音楽療法と楽器レッスンを組み合わせたオリジナル講座を準備中。
2006年西日本ハーモニカコンテストデュオ部門第1位
2007年西日本ハーモニカコンテストジャズポップス部門第3位
フルス学会認定最上位資格10級
クロマティックハーモニカ道場・一美塾
https://chant-kazumijuku.com/
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