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岩﨑 由佳さん【NOW SARA vol.92】神奈川県在住|音楽療法士

心理・カウンセラー
  • 2021.06.17
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★音楽療法士の岩﨑由佳さん

音楽療法士として活躍されている岩﨑由佳さん。
音楽療法士は、音楽の持つ特性を活かし、人々の心と身体を健康にし、より生きやすくなる様に働きかけるお仕事です。
岩﨑由佳さんは日本の音楽大学を卒業後、海外の大学へと渡り、音楽についてより深く学ばれてきました。
帰国して現在に至るまで、音楽療法士、フルート奏者、フルート講師として多岐に渡って精力的に活動をされています。
一時は音楽療法に全く興味のなかった岩﨑由佳さんが、音楽療法士を志したのにはあるきっかけがありました。
「一番大事なのは、人間というものを知ることや、人に寄り添うこと」
そう仰る岩﨑由佳さんは、一人ひとりの心の声に耳を傾けることにこだわりお仕事をされる姿が印象的です。
今回は、そんな岩﨑由佳さんに“今頑張っている女性”としてインタビューを行いました。

このお仕事の内容について教えてください。

音楽療法士として、発達障がいのある子ども達や大人の方々、精神疾患を抱えた方々、高齢者や認知症の方々に対して音楽療法を行っています。
その他にも、怪我・事故等のリハビリが必要な方々や一般的な会社に勤めていらっしゃる方々に対してもセッションを行い、社会生活や日常生活の中で、皆さんがより生きやすく、過ごしやすく、心が豊かになるようサポートをしています。

簡単な生い立ちをお願いします。

日本の音楽大学を卒業した後、海外の大学に進学しました。
海外の大学で修士を2つ取得した後に日本に帰国し、音楽療法士だけでなくフルート奏者やフルート講師としても活動をしています。

仕事を始めるきっかけや思いを教えてください。

元々、海外に在住していた際に、師事していた先生から音楽療法を勉強するように勧められていました。
しかし、当時はなかなか興味が持てず、音楽療法士になろうとは考えてもいませんでした。
そんな中で、日本に帰国して仕事を始めてから、気持ちの変化が起こるきっかけがありました。
それは、自己判断ではあるものの、とある生徒さんに対して、恐らく発達障がいや精神疾患の傾向があるのでは、と感じたことでした。
その時に、音楽療法を留学時に勧められた時のことを思い出したのです。
以前から、音楽療法の中で楽器を演奏してもらう、音楽を聴いてもらうといったような療育・療法を行うことで、その人が精神的に安定し、社会生活や日常生活が送りやすくなるということを耳にしていました。
そして実際に取り入れてみると、驚くほど効果があったんですよね。
効果を実感したこと、そして一人ひとりに合ったセッションを行いたいという想いから、勉強を行い、資格を取得し、音楽療法士として活動を行っています。

一日のスケジュールについて教えてください。

私は呼吸器疾患があるので、朝起きたらまずは紅茶やコーヒーなど温かいものを飲みながらゆっくり器官を開くところから始まります。
朝は事務作業をしていたり、自分自身も練習を行っています。
そしてお昼頃から生徒さんがいらっしゃいます。
生徒さんが連続してセッションやレッスンにいらっしゃる日もあれば、そうではない日もあるので、そうではない日は、隙間時間でご飯を食べていたり、自分の練習をしていたり。
そして、最後の生徒さんのレッスンが終わるのが、最近は遅い時間で21時半から22時。
社会人の方だと、平日のお仕事が終わった後にいらっしゃるので、このように夜遅くになることがあります。
生徒さんのスケジュールによるため、日によって過ごし方は異なります。

この仕事を始められて、苦労した事を教えてください。

個人のお教室ですので、まずは生徒さんの集客というところには苦労しました。
また、私のお教室の場合、スタジオを固定で持っているという訳ではないので生徒さんのおうちに伺う、外部のスタジオを使用させていただいてのレッスンになります。
そのため、どうしても生徒さんにスタジオ代を負担していただくことになってしまいます。
そこが講師として心が痛むところで、可能であれば生徒さんのところでおうちに伺わせていただくか、料金が比較的かからないスタジオを探してレッスンを行っています。

この仕事をされて心からよかったなと思える事を教えてください。

音楽療法士としては、音楽療法・療育が終わった後に、セッションやレッスンを受けられた方々が、朗らかで優しい目になって、「また明日も頑張れます」と笑顔になって帰っていただけることがとても嬉しいです。
フルートレッスンにおいては、克服したいことの原因を根本的に取り除く原因療法をされたい、また、音楽療法・療育によって良い状態をキープしたり、補完療法を行いたいというお考えの下、足を運んでくださる方が多くいらっしゃいます。
そんな方々が、実際に克服できた時に「痛みがなくなりました」「分からなかったのができるようになりました。次も頑張ります!練習いっぱいしてきます!」「心がとても楽になりました」「普段の生活が送りやすくなりました」と言って、まるでスキップしているように笑顔になって帰られるんですよね。
それが何よりも嬉しい瞬間です。
あくまでも私のお教室のコンセプトとして行っているのは、フルートを吹くこと。
しかし、フルートや音楽から学んだものを、社会生活や日常生活に活かしてもらうということができるようなレッスンを行っているので、より効果を実感してもらいやすいのではないかと思います。

この仕事を通じて、こだわっている事や気を付けている事を教えてください。

間違えを言ってはいけないことは先生として当然ですが、子ども達に関しては、「この子にとって本当に必要な事かな」「間違った意図に捉えられていないかな」と注意深く療育・療法を行うようにしています。
子ども達は私たち大人が示したことを、ある時はまるでお守りのように、ある時はまるで鎖のように、自身の心に大きく残してしまうことがあるので、とても気を付けています。
子供の頃のことって大人になってもずっと残ると思うんですよね。
最近では「子どもは褒めて育てよう」とよく言われていますが、それは自分自身で自己肯定感を向上させる事ができるようになってもらうためでもあるのです。
きちんと褒めて育てられて、ポジティブな思考ができる人は、何か大きな壁にぶつかったとしても、何が問題で、何を解決する必要があるのか冷静に判断し、目的を達成することが出来ます。
そういった点からも、子どもたちにかける言葉にこだわることは、とても大切だと考えています。

大人の生徒様の場合は、自覚しているしていないに関わらず、何を出来るようになりたいのか、どのような問題を抱えていらっしゃるのかを明確にします。
そして目的を達成するためにどのような方法であれば遂行しやすいか、且つ達成した後に、維持をして応用できるのか、ということを念頭に置いてセッションを行っています。

患者さんや生徒さんに継続していただく為に行っていることはありますか。

当然ですが、やる気を削がないことです。
やる気だけは私が0から1にしたり、0の状態からあげられるものではないんです。
もう一つは、生徒さんやお子さんが困っている、やりたいと思っていることに対して小さな目標をいくつか掲げてもらった上で帰っていただくことです。
大きな目標を掲げるのではなく、小さな目標を宿題として持って帰ってもらい、少しずつ目標を達成していただくように意識しています。

この仕事をアピールする方法として、どんな方法があるかを教えてください。

まず、音楽療法士という職業があるということを知っていただくことからだと思います。
音楽療法は必ずしも、何らかの診断を受けた方々やリハビリが必要な方々だけに効果があるものではありません。
特に身体的・精神的問題がないと思っている方も、より生活を送りやすく、心が豊かになるといった大きな効果があるのです。
実際に体験していただければ、どういった事を行っているかを理解していただけるかなと思います。
機会を持っていただくのはなかなか難しいことかもしれませんが、皆さんの中にも音楽が好きで、よく聞いていらっしゃる方もいると思います。
ドライブの時はテンションがあがるようなアップテンポな曲だったり、悲しい時には悲しいメロディーや歌詞の曲を聞いて共感したり。
実はこれも音楽療法の一つで、皆さんも無意識に音楽療法をやっているんですよね。
勿論、自分でやるよりも専門知識のある方の下で、療育・療法を続けてもらう方が効果は大きく実感できると思います。 しかし、音楽療法は意外と皆さんの身近なところにあるので、「こういうのが音楽療法なんだな」と感じていただいて、そこから興味を持っていただければ、大変嬉しく思います。

お仕事のときに持ち歩いているものを教えてください。

私は音楽療法は経験と知識だと思うので特別に用意し、持つものはありません。
必要に応じて持ち出すものはありますが、、
持っていると言えば、子どもが興味を持ちそうなものとして鞄についてるうさぎさんとりんごのキーホルダーですかね(笑)
フルート講師・演奏家とすれば、勿論、楽譜と楽器とチューナー、メトロノームといったようなものは持っています。

お仕事とプライベートを両立させるためにはどうしていらっしゃいますか。

基本的に音楽とか芸事をしているとプライベートも仕事をしているのであまり境目はありません。
しかし、スケジュールを詰めてお仕事をする日と丸一日お休みの日とでメリハリをつけて生活することを意識しています。
お休みと決めていても、仕事はしてしまうんですけどね(笑)

最近、仕事以外で夢中になっていることはありますか。

最近一つ目標ができました。
今までキレイ系を目指していましたが、次は大人カワイイを目指すことにしました(笑)
色やお洋服でもシックなものが好きでしたが、小物にパステルカラーや差し色のものを入れてみたり。
抜け感や隙を出すという事を頑張っていますが...奮闘しています(笑)

この仕事をしたいという人に、まず身につけておいた方がいいことを教えてください。

多くの方は資格取得など、知識を入れることから始められると思います。
しかし、私が一番大事なのは人間というものを知ることや、人に寄り添うことだと考えています。
確かに資格や知識も大切ですが、その方にとって何が必要で、今どういう状況に置かれてるのかというのをきちんと把握し、その方の気持ちを汲み取った上で最善の方法や対処を提案したり行えるというのが大前提かなと思っています。
これから音楽療法士を目指していただく方には、まず知識云々よりも、目の前の人に寄り添うということを行っていただきたいです。

音楽療法士を目指している人への応援メッセージをお願いします。

音楽療法は日本ではメジャーではなく、国家試験にもなっていません。
しかし、音楽療法の蓋を開けてみると、心理学的な知識も医学的な知識も必要で、お医者さんと患者さんの間に立つ立場なんですよね。
資格を取っていく中でも、心理学と医学をそれぞれ考慮しながら判断しないといけないので、大変だと感じることもあるかと思います。
しかし、誰かがやらないと、その患者さんが診断された病気と上手く付き合っていくということはできません。
お医者さんと患者さん、心理学と医学、本来であれば真反対にある人達やものを結ぶ窓口の役割だと思って、挫けずに頑張っていただければ一療法士として大変嬉しく思います。がんばってください!
活動内容

音楽療法士

音楽療法・療育を行うことで、社会生活や集団生活、日常生活をより送りやすく、また、心が豊かに、楽になるお手伝いをしています。

プロフィール

岩﨑由佳いわさき ゆか

10歳よりフルートをはじめ、2011年に洗足学園音楽大学で学位を取得後渡欧。
2013年にスイス国立チューリッヒ音楽大学マスター・コンチェルト、2016年に同国ルツェルン科学芸術大学マスター・オーケストラの課程を経て2つの修士を取得後帰国し、同年東京と徳島にてリサイタルを開催。
洗足学園音楽大学在学中はアジアンフルートコングレスの一員として金昌国氏をはじめとするフルーティストと中国(上海)での演奏旅行に参加。
スイス在住中は教会やサロンでのミサ・コンサートなどで演奏活動を行い、現在はソロ・室内楽での活動のほか、ヨーロッパからの視点で日本の伝統芸能の新たな価値観を見出し、阿波木偶箱まわし保存会・八王子車人形 西川古柳座と共演するなど新たな可能性を開拓している。また、脳と練習法の関連性や呼吸法、アレクサンダーテクニークなどを取り入れ、後進の指導にもあたっている。
これまでにフルートを甲藤卓雄、甲藤さち、江川説子、岩花秀文、萩原貴子、マリア・ゴールドシュミッド(チューリッヒ歌劇場ファーストフルート奏者)、ザラ・ルメール(スイスルマンド管弦楽団ファーストフルート奏者)、酒井秀明、室内楽を水野佐知香、萩原貴子、ミヒャエル・ビル、ユリー・クロールマン、ダニエル・フッテル、アンデルス・ミオリン、オリバー・ダルベライ、マッツ・シャイデッガー、リアーネ・エリッヒ、ジャズフルートをギュンター・ヴェヒンガー、ピッコロをニコラ・マッザンティの各氏に師事。

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