二級建築士は、戸建住宅の設計ができる国家資格です。
戸建住宅の需要は多いため、建築会社や設計事務所などへの就職に役立つでしょう。
大学などで指定科目を修めて卒業すれば、実務経験なしで受験できます。
建築士を目指す学生が、まず取得する資格だといえるでしょう。
ただし学校の種類や取得単位数によっては、実務経験が必要です。
学歴要件を満たしていない場合は、実務経験を7年以上積めば、受験資格を得られます。
一級建築士は、戸建住宅・公共施設・商業施設など、あらゆる建築物を設計できる国家資格です。
大規模な建築物は一級建築士にしか設計できないため、建築業界で重宝されるでしょう。
大学などで指定科目を修めて卒業すれば、実務経験がなくても受験できますが、免許登録時に2~4年以上の実務経験が求められます。
実務経験のない状態で一級建築士試験に合格した場合、免許登録をするのは実務経験を積んだ後になると理解しましょう。
学歴要件を満たしていなくても、二級建築士の資格を取得すれば受験資格を得られるため、二級建築士から受験するのもおすすめです。
ただし二級建築士として受験資格を得て合格した場合も、一級建築士の免許登録時には、2年の実務経験が求められます。
木造建築士は、小規模な木造建築物を設計できる国家資格です。
木造建築物に関する専門的知識を有している証明になるため、神社仏閣などの建築に携わる際は特に役立つでしょう。
ただし「階数2階建て以下」「延べ床面積300㎡以下」などの制限があり、二級建築士よりも設計できる建築物の規模が小さくなっています。
こちらも大学などで指定科目を修めて卒業すれば、実務経験なしで受験できます。
学歴要件を満たしていない場合は、実務経験を7年以上必要になります。
木造建築物よりも大規模な建築物の設計に興味のある方は、二級建築士の資格取得を目指すのがよいでしょう。
建築物の工事を施工する際には、工事費や材料費がかかります。
それらの費用を計算する建築積算の仕事は、お金の計算が得意な女性にぴったりでしょう。
女性におすすめの建築積算の資格3選をご紹介します。
建築積算士補は、建築物の工事費の算定について、適正な基礎知識を有す証明になる民間資格です。
建築積算士補の資格を取得すると、建築積算士の1次試験が免除されるため、建築積算士を目指したい方は受験するとよいでしょう。
受験資格は、「公益社団法人日本建築積算協会」の認定校における「建築積算講座」を受講し、所定の単位を取得することです。
試験に合格したら、合格通知から1ヶ月以内に建築積算補士の登録を申請しましょう。
登録の有効期間は10年間で、更新するためには更新講習を受けなければなりません。
建築積算士は、建築物の工事費について、数量算出から工事費算定までを行うスキルを証明する民間資格です。
入札する際に提示する価格の基礎データを算出する専門家として、建設会社や建築積算事務所などで働けます。
受験資格は満17歳以上で、学歴や実務経験などは問われません。
試験に合格したら、年度内に建築積算士の登録を申請しましょう。
登録の有効期間は3年間で、更新するためには更新講習を受けなければなりません。
建築コスト管理士は、企画・構想・設計・施工・維持など、建築生産過程の全ての局面で、コスト管理をする専門家です。
建築積算士の上位資格の位置づけとなっている民間資格で、取得すれば幅広い業務に携われます。
以下のいずれかを満たすと、受験資格を得られます。
・建築積算士の称号を取得後、更新登録を1回以上行う
・建築関連業務を5年以上経験する
・一級建築士に合格し登録する
試験に合格したら、建築コスト管理士の登録を申請しましょう。
ただし登録の有効期間は5年間で、更新登録には継続能力開発制度の必要単位数を取得することが必要です。
測量士補は、測量法及び測量法施行令に基づく国家資格です。
試験に合格して測量士補になると、測量士の作成した測量計画の指示に従って、測量業務を行えます。
測量会社は、事業所ごとに測量士・測量士補の資格者を1名以上配置することが義務付けられているため、測量士補の資格を取得すれば、採用されやすいでしょう。
試験は年1回実施され、誰でも受験可能です。
試験に合格したら、測量士補の登録を申請しましょう。
測量士は、測量法及び測量法施行令に基づく国家資格です。
測量士補には作成できない測量計画の作成もできるため、測量会社や建設コンサルタント会社などで重宝されます。
試験は年1回実施され、誰でも受験が可能です。
測量士補の資格を取得せずに、最初から測量士の資格を受験してもよいでしょう。
試験に合格したら、忘れずに測量士の登録を申請することが大切です。
建築施工管理技士は、建築に関する工事において施行図の作成・工程管理・品質管理・安全管理などを行う技術者の国家資格です。
各専門工事業者に指示を出す主任技術者として、建設会社や工務店などで働けます。
建築施工管理技術検定には1級と2級があるため、まずは2級の取得から目指すとよいでしょう。
2級は以下のいずれかを満たすと、受験資格を得られます。
・大学等を卒業後、学校の種類に応じて最低1年以上の実務経験を有する
・学歴を問わず8年以上の実務経験を有する
・技能士の資格を取得する(合格した年度によっては実務経験も必要)
ちなみに2級は「建築」「躯体」「仕上げ」の3区分があり、区分ごとに主任技術者になれる業種が定められています。
土木施工管理技士は、土木工事において施工計画の作成・工程管理・品質管理・安全管理などを行う技術者の国家資格です。
道路や橋などの土木工事における現場監督として、土木会社や国語交通省などで働けます。
土木施工管理技術検定には1級と2級があるため、まずは2級の取得から目指すとよいでしょう。
2級は以下のいずれかを満たすと、受験資格を得られます。
・大学等を卒業後、学校の種類に応じて最低1年以上の実務経験を有する
・学歴を問わず8年以上の実務経験を有する
・前年度2級土木施工管理技術検定・学科試験に合格し、実地試験が不合格又は欠席をした
・技術士法による第二次試験のうち建設部門・上下水道部門・農業部門・森林部門・水産部門・総合技術監理部門に合格し、2級土木施工管理技術検定・学科試験の受検資格を有する
2級は主任技術者になれる資格である一方、1級は主任技術者と管理技術者になれる資格です。
管工事施工管理技士は、管工事において施工計画の作成・工程管理・安全管理などを行う技術者の国家資格です。
管工事における主任技術者として、建築業者や空調の施工管理会社などで働けます。
管工事施工管理技術検定には1級と2級があるため、まずは2級の取得から目指すとよいでしょう。
2級は以下のいずれかを満たすと、受験資格を得られます。
・大学等を卒業後、学校の種類に応じて最低1年以上の実務経験を有する
・学歴を問わず8年以上の実務経験を有する
・技能検定合格者で、4年以上の実務経験を有する
1級は「特定建設業の専任技術者」「一般建設業の専任技術者・主任技術者・監理技術者」、2級は「一般建設業の専任技術者・主任技術者」になれる資格です。
実践建築模型認定試験は、日本デザインプランナー協会が認定する民間資格です。
建築模型の分野で有名な民間資格で、1級と2級があります。
2級は建築模型の知識・製作技術・技能を有していることを証明できる資格です。
一方、1級は建築模型の知識・製作技術・技能に加えて、実践の場で通用するスキルや、製作者としてのスキルを有していることも証明できます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
建築模型技工士インストラクターは、「日本インストラクター技術協会」が認定する民間資格です。
建築模型製作分野での指導や講師としてのキャリアを考えている方は、取得を目指すとよいでしょう。
資格を取得すれば、スタディー模型・プレゼンテーション模型・検討模型・説明模型・展示模型・体験模型・比較模型・原寸模型などを、実務で通用するレベルで理解していることを証明できます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
CAD利用技術者試験は、「一般社団法人コンピュータ教育振興協会」が認定する民間資格です。
CADを扱う業界で有名な資格で、国から講座受講料の支援を受けられる「教育訓練給付金制度」の対象となっています。
CADを扱う業界では、資格の有無よりもスキルや実績を重視する傾向があるため、資格取得はあくまで知識を獲得するための手段ととらえましょう。
「2次元CAD利用技術者試験」と「3次元CAD利用技術者試験」があり、入門編としては「2次元CAD利用技術者試験」の2級取得を目指すのがおすすめです。
2級は受験資格がなく、誰でも受験可能ですが、準1級や1級は2級有資格者が受験資格となっています。
建築CAD検定試験は、「一般社団法人全国建築CAD連盟」が認定する民間資格です。
日本初の建築CADの資格試験で、CAD教育を実施する大学や専門学校などで広く採用されています。
4級・3級・2級・準1級があり、1級は試験方法や採点方法の環境が整っていないため設けられていません。
「実社会で求められるCADトレース技術者」を指す3級・4級か、「実社会で求められる一般建築図を作図できるCAD技術者」を指す2級から目指すとよいでしょう。
4級は高校の団体受験のみ実施していますが、3級以上は受験資格がなく、誰でも受験可能です。
CADデザインマスターは、「日本デザインプランナー協会」が認定する民間資格です。
自宅やカルチャースクールなどで講師活動をしたい方は取得するとよいでしょう。
世界標準CADであるAUTOCADとJWCADを使い、あらゆる分野で作図を行えることを証明する資格です。
試験内容としては、「杭伏せ図・基礎伏せ図・見上げ図・階段躯体図・平面図・平面詳細図・建築図」などの一般的な知識が問われます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
建築CADインストラクターは、「日本インストラクター技術協会」が認定する民間資格です。
資格を取得すれば、知識を活用して講師活動ができるでしょう。
建築CADにおける建築設計や建築施工図などを十分に理解し、AutoCADとJWCADのいずれかの操作が実務で通用するレベルまで達していることを証明する資格です。
試験内容としては、「建築CADの基礎知識・施工図・基礎伏せ図・見上げ図・平面詳細図・建築図・用語・記号」などの知識が問われます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
土木CADインストラクターは、「日本インストラクター技術協会」が認定する民間資格です。
資格を取得すれば、知識を活用して講師活動ができるでしょう。
土木CADにおける土木製図の基本事項・コンクリート構造・鋼構造・橋などを十分に理解し、AutoCADとJWCADのいずれかの操作が実務で通用するレベルまで達していることを証明する資格です。
試験内容としては、「土木CADの基礎知識・基本図面知識・寸法・図面管理・用語・記号」などの知識が問われます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
機械・設備・電気CADインストラクターは、「日本インストラクター技術協会」が認定する民間資格です。
資格を取得すれば、知識を活用して講師活動ができるでしょう。
機械・設備・電気CADにおける空調設備設計・給排水衛生設備設計・電気設備設計・プラント設備設計などを十分に理解し、AutoCADとJWCADのいずれかの操作が、実務で通用するレベルまで達していることを証明する資格です。
試験内容としては、「機械・設備・電気CADの基礎知識・電気図・増設・電灯・動力・照明器具・用語・記号」などの知識が問われます。
受験資格はなく、在宅受験のため、挑戦しやすい試験です。
インテリアコーディネーターとは、インテリアメーカーや販売店などで、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどをする仕事です。
インテリアコーディネーターは資格がなくても働けますが、スキルがあることを証明したい場合は、インテリアコーディネーター資格試験を受験するとよいでしょう。
インテリアコーディネーター資格試験は、「公益社団法人インテリア産業協会」が認定する民間資格で、受験資格はなく、誰でも受験可能です。
資格を取得すれば、内装・家具・照明器具・住宅設備など、インテリアに関する幅広い知識を持っていることを証明できます。
試験に合格後、登録手続きをすると、協会認定のインテリアコーディネーターとして登録されますが、有効期限は5年間です。
有効期限を延長したい場合は、更新登録手続きを忘れないようにしましょう。
インテリアプランナーとは、住宅・商業施設・オフィスなど、あらゆる建築物の内部空間の設計や工事監理などを行う仕事です。
インテリアプランナーは資格がなくても働けますが、有資格者を優遇する企業もあるため、インテリアプランナー試験を受験するのがおすすめです。
インテリアプランナー試験は、「公益財団法人建築技術教育普及センター」が認定する民間資格で、インテリアコーディネーターの上級資格という人もいます。
資格を取得すれば、インテリア設計などを行う上で必要な専門的知識及び技能を有することを証明できます。
受験資格はなく、誰でも受験可能です。
試験に合格後、登録手続きをすると、「インテリアプランナー」の称号が付与されます。
インテリア設計士とは、住宅・商業施設・オフィスなど、あらゆる建築物のインテリアを設計する仕事です。
インテリアコーディネーターのような販売業務や、インテリアプランナーのような工事管理は行わず、主に室内のデザインを行います。
インテリア設計士は、設計事務所・インテリアデザイン事務所・インテリアショップなどで活躍できるでしょう。
インテリア設計士の資格認定試験は、「一般社団法人日本インテリア設計士協会」が認定する国家資格で、1級と2級があり、2級は20歳に達していれば受験可能です。
20歳に達していない場合も、学歴や保有資格などの条件を満たせば、2級の受験資格を得られます。
試験に合格後、登録手続きをすると資格が認められます。