キャリアプランとは、「将来的に自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいか」についての計画書のようなものです。
将来的にどのようなジャンルの職業で、どのような職種に就きたいかご自身の理想像を明確にし、逆算していつ・何をすれば理想に近づけるかを検討します。
キャリアプランを立てることで、今の仕事のままでよいのか、転職・独立すべきなのかといったことが見えてきます。
また、必要な資格や経験なども明確になるでしょう。
ただ、キャリアプランには正解がありません。
なかには、目標達成に固執してしまい、融通が利かなくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それでは視野が狭くなってしまいます。
考えや環境が変わった場合は、キャリアプランの変更も考え、柔軟に対応するのがベストです。
キャリアプランを立てるメリットは、3つあります。
<キャリアプランを立てるメリット>
・就活時の自己PRに使える
・今、何をするべきか分かり、仕事のモチベーションが上がる
・ライフプランが変わっても今後の計画を立てやすい
キャリアプランは、就職活動や転職など他者に対するアピールに活用できるだけでなく、自分自身にとって将来の道しるべとなります。
今後のキャリアのために、転職を考える方もいるでしょう。
キャリアプランは、就職活動や転職でも役立ちます。
採用担当者は、求職者のやる気やその人材を雇用した際に得られるメリットを知りたがっています。
ご自身のキャリアプランで見えたPRポイントや将来のビジョンを面接時に話せば、採用担当者にも好印象を与えられるはずです。
キャリアプランがないと、目の前の仕事をこなし、ただなんとなく毎日を過ごすだけになってしまいがちです。
キャリアプランを立てることで、目標に向けてやるべきことが明確になります。
また、ひとつひとつのタスクをこなすごとに、満足感が得られるでしょう。
キャリアプランのある人は、今何をしなければならないか分かるため、仕事に積極的になります。
その結果、会社にもよい影響を与えられ、会社の業績アップにも貢献できるかもしれません。
女性は、男性以上にキャリアプランの変更を余儀なくされる機会が多くあります。
もしライフプランが変わっても、将来的なビジョンが見えていれば、その目標に向かって少し軌道修正するだけで済みます。
また、ライフプランにあわせてキャリアプランを変更すれば、新しく今後の目標も見えてくるでしょう。
ご紹介したように女性は、結婚や出産といったライフイベントが起きるごとに、キャリアプランやライフプランに複数の道が生まれます。
結果、希望していたキャリアプラン通りに進まなくなり、軌道修正が必要になることも。
ここからは、女性のキャリアプラン形成の問題点を考えてみましょう。
女性がキャリアアップを望んでいても、出産を経験すると難しい現状があります。
出産前は、仕事と育児は両立できると思っていても、いざ出産してみると想像以上に難しいことに気付くはずです。
女性は産後会社に復帰しても、保育園のお迎えで定時もしくは時短勤務をする必要があったり、子どもの体調不良で会社を休まざるを得なかったり、これまでと同じようには仕事ができなくなります。
日本企業は、そのような働き方をする従業員に対し責任ある仕事を任せず、誰でもできる仕事や誰かの補佐に当たらせる傾向があります。
現状では、大勢の部下を統括する仕事や、長期にわたるプロジェクトのリーダーといった責任ある仕事をしなければ、キャリアアップは困難です。
「やりたくても任せてもらえない」と、悔しい思いをしているワーキングマザーも多いでしょう。
このような現状は、企業側が女性のキャリアプランをしっかり把握していないからこそ起きる問題だといえます。
ご自身のキャリアアップを考えるのであれば、上司と話し合うなどして会社の考え方を変えてもらう必要があります。
もし会社を変えることが難しいのであれば、子育て支援の行き届いた企業や、ロールモデルとなる方がいるような企業への転職も考えましょう。
結婚・出産はしていないものの現状に満足せず、転職してキャリアアップをしたいと考える女性もいらっしゃるでしょう。
しかし、未婚女性の場合はいまだに「近いうちに結婚してやめてしまうかもしれない」と考える企業もあります。
それだけでなく、既婚女性の場合は「子どもができるかもしれない」、子どもがいれば「急に会社を休んでしまうかもしれない」などの理由で、採用を渋る企業もあるのが現状です。
転職を希望するのであれば、それなりのスキルや資格・専門性を持ち、企業に貢献できるとアピールできるものを作りましょう。
よい人材であれば、男女関係なく採用してくれる会社は数多いです。
また、女性の働き方に寛容な会社を探すのもおすすめです。
女性社員の多い会社や、女性の管理職が多い会社もよいでしょう。
キャリアプランを立てたいけれど、そもそも思い浮かばない…そのような方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それは、まったく不思議ことではありません。
とても流れの早い現代社会です。
10年後、今世の中にある仕事のいくつかは、AIの仕事になっていることも考えられます。
ただでさえ女性は、ライフイベントでキャリアプランが変化しやすいもの。
その上短期間で、さまざまなことが目まぐるしく変わる社会で、キャリアプランが浮かばないのも無理はありません。
そのようなときは、無理に明確なキャリアプランを立てる必要はありません。
プランが浮かばない場合は、ざっくりとしたプランでOK。
たとえば、自分は営業職が好きだから続けたい、出産したら子どもとの時間を大事にしたいなどです。
そのようなことも浮かばない場合は、自分自身に何か変化を起こしてみるのもよいでしょう。
副業を始める、習い事に通う、気になるサロンに入ってみるなどです。
さまざまな経験やスキルを身につけることで、目標が見つかることやキャリアプランに役立つことがあります。
今は「将来に備えて成長するとき」と割り切って考えましょう。
キャリアプランを立てる前に、まずは自分自身の現在地を把握する必要があります。
これは、就職活動でいう自己分析にあたります。
現在地を知るためには、これまでの経歴や取得した資格なども再度見直しましょう。
どのような場面でやりがいを感じたかや何をしていると楽しいのかを書き出し、現状を把握します。
現状把握はいわば、スタート地点にあたります。
スタートが見えたところで、次はゴール地点を明確にします。
自分自身がこうありたいと思う未来をできるだけはっきりと描いてみましょう。
この時点では、スタートからゴールまでどのようにたどっていくかを考える必要はありません。
スタートとゴールが見えたところで、その間を細分化します。
ライフプランもあわせて考えましょう。
たとえば、結婚して子どもが欲しいと考えているのであれば、その前に資格の取得や転職をした方がよいなど、やるべきことが思い当たるはずです。
今の会社でキャリアアップしたいのであれば、いつまでにどの程度スキルを身につけ、昇進したい。
そのためには、今から昇進のための勉強をしておこう、と小さなプランが積み重なっていきます。
これらはできるだけ細かくすることで、日々やるべきことが明確になり、達成感も味わえます。
パートナーがいるのであれば、女性のキャリアプラン形成で大きく関わる「妊娠」「出産」といったライフイベントの時期をイメージすることも重要です。
パートナーとお互いのライフプランを話し合ってみるのもおすすめです。
そのうえで転職を考えている場合は、いつ転職するのがベストなのか考えてみましょう。
たとえば、転職先でキャリアアップを目指すのであれば、早めに行動した方がよいかもしれません。
子育てに寛容な企業に転職するのであれば、結婚後、妊娠前までに転職した方がよいでしょう。
ただし○歳で出産といったように年齢を明確に設定すると、そうならなかった場合に軌道修正が必要になります。
あくまでも仕事とライフイベントを流れとしてとらえましょう。
親の介護の必要性・パートナーの転勤や転職・子どもの進学・就職などが、キャリアプランに影響する可能性もあります。
予測されるものについては、あらかじめ可能性を考慮して、どのようにライフプランを組み直すのかを予測しておくとよいでしょう。
キャリアプランは、いつでも軌道修正できます。
こうしなければならないと固定観念にとらわれるのではなく、柔軟に対応したほうが満足できるキャリアプランに仕上がります。
途中で、ご自身の適性がほかの職種にあることに気付くかもしれません。
現状の仕事に疑問を感じたときや、ライフプランに変更があったときなど、こまめに見直しを行いましょう。
20代は新卒で何も分からない状態から、徐々に自分がその仕事に向いているかどうかが見えてくる年代です。
最初に描いたキャリアプランからはかけ離れていると感じる人もいるかもしれません。
さまざまな経験を通して、新たな適性を見つけることもあるでしょう。
20代は、キャリア形成の土台を作るとき。
現状のキャリアプランに固執せずに、視野を広げて多くの体験をしてみましょう。
なかには、結婚する方もいるでしょう。
その際には、再度キャリアプランの見直しを行います。
就職から10年以上が経過し、仕事に対する考えも定まり始めるころ。
30代女性は、結婚や出産などライフプランに動きが出やすい年代でもあります。
結婚・出産・育児を経験したからこそ得られる考えもあるでしょう。
キャリアプランの方向性が、がらりと変わるかもしれません。
いずれにしても、ワークライフバランスを考えながら、今後の方向性を定めていきましょう。
キャリアアップを考えるのであれば、ご自身の知識や専門性を高めていくべきときでもあります。
スキルを身につけ価値を高めることで、昇進や転職にも有利になります。
40代はそろそろ最終的なキャリアプランが明確になるころです。
社内ではリーダー的役割を求められ、後輩に指導する立場になっている方もいるのではないでしょうか。
子育て中でも多くの方が、ある程度落ち着いて仕事ができるようになっていることでしょう。
ここからは、目標とするプランに近づくために、さらに専門性を高めていきます。
転職を考えている方は、キャリアアップセミナーや地域の行事に参加して、積極的に社外とのつながりをもつようにしましょう。
定年後のことも考え始める50代。
今の職場で再雇用してもらう・別の職場で身につけたスキルを活かす・定年後は定職に就かずに社会貢献に時間を費やしたいなど、選択肢はいくつも考えられます。
なかには早めに退職し、お孫さんの面倒や趣味の時間を作りたいと考える方もいるでしょう。
どのような人生を歩むにしても、これまで培ってきた人脈や知識、コミュニケーション能力などは無駄にはなりません。
今の自分の考えに合う、新たなキャリアプランを組み立てていきましょう。
一つ目のポイントは、目標となるロールモデルを見つけることです。
キャリアプランの作成段階で、目標となるような女性がいるようであれば、その方をロールモデルとしましょう。
ただし、女性はライフプランの変更が頻繁に起こるため、複数のロールモデルを見つけておくと、軌道修正の際に参考になります。
もう一つのポイントは、スキルを身につけることです。
現在の仕事に役立つ資格や趣味の資格など、興味をもったものにどんどんチャレンジしてみましょう。
今は役立たないと感じたものでも、キャリアプランの変更や第二の人生で役立つこともあります。
どのようなスキルを身につけるか悩んだ場合は、女性向けのさまざまな資格取得ができる「SARAスクールジャパン」が役立ちます。
今まで知らなかったご自身の趣味や仕事に直結する資格が見つけられるかもしれません。