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NOW SARA vol.118

★アパレルブランド<ADDIXY>代表兼デザイナー 堀内 咲季さん

今回の“今頑張っている女性”は、アパレルブランド<ADDIXY>代表兼デザイナーの堀内 咲季さんです。
東証一部上場企業でプロジェクトリーダーとしてフルタイム勤務の傍らモデルのお仕事、この度第3のキャリアとしてアパレルブランドを立ち上げられました。​
在庫を持たない「完全受注生産」により衣類廃棄ゼロを実現し、環境に優しい再生繊維を取り入れるなどサステナブルの取り組みにも力を入れられています。​
ブランド立ち上げにかける想い、多岐にわたるPRの方法など必見のインタビューです!​

簡単な生い立ち・自己紹介をお願いします。

1989年生まれの32歳です。
中高一貫で私服の学校に通っていたこともあり、中学生の時にファッションに目覚めました。
大学時代には、109系ブランドの販売員として3年間勤務しました。
京都大学卒業後、アパレル会社には就職せず、事業企画系の職種で働きながら女性ファッション誌の読者モデルとして活動していました。
その後、ご縁があって芸能事務所に所属することになり、働きながらモデル業にも携わらせていただきました。
現在は東証一部上場企業にてサービス企画のプロジェクトリーダーとして働きながら、パラレルキャリアとしてフリーランスでモデル業を継続しています。
今後のキャリアを見直す中で、昨年4月より服飾学校に通い始め、今年2022年の1月に私自身がデザイナーを務めるアパレルブランド<ADDIXY>を個人で立ち上げました。
入学前からできるだけ早いタイミングでブランドを作ろうと決めていたため、卒業を待たずに昨年夏頃から準備を進め、半年ほどで立ち上げに至りました。

ブランド立ち上げにあたってのきっかけを教えてください。

もともと10代の頃からファッションが好きでしたが、生み出す側になりたいと思ったのは大きく2つのきっかけがあります。
1つ目は、モデル業はクライアントの撮影イメージに合わせる仕事でもあるので、世間一般の30代女性像を求められることが多く、徐々に自分の理想とする世界観との乖離を感じるようになり、誰かが作った世界観に合わせる仕事ではなく、自分でその世界を描いてみたいと思うようになったことです。
2つ目は、10代の頃から音楽やファッションが好きでしたが、コロナ禍で不要不急なものは排除された2年前、ライブも好きなファッションも優先度が下げられてしまい、改めて娯楽の力を感じたからです。
自分も人生において誰かの心を動かし豊かにするような何かを残したい、表現したいと強く感じ、動き出しました。

ブランドのコンセプトを教えてください。

ブランドのコンセプトは"RealMode & Rock”で、大人世代の女性が日常的に上品に着られるロックテイストな服を提案しています。
「中毒性のある(addict)刺激を日常に(daily)」というテーマを込めて、<ADDIXY>と名付けました。
今の日本は、ライフスタイルが進むごとに「〇〇らしく」を求められる文化があると思います。
違いを認めるというより、周囲から浮かないことを求められる。
多様性が叫ばれる世の中になってそのあたりは少しずつ変わってきていることを感じているものの、まだまだ「30代向けファッション、40代向けファッション、ママ向けファッション」といった見えない圧力があるように思います。
若い世代の服だとエッジの効いたデザインの服もありますが、30代向けのファッション誌が提案してくる理想的な30代女性像にはそういうファッションはほぼ登場しません。
大人世代の女性のファッションはもっと幅があっていいし、自由でいい。
そんな理念を込めています。

立ち上げ準備で苦労したことを教えてください。

全てを一人かつ副業でやっているので、時間と資金には限りがあります。
その限られたリソースをどう活用していくか、どこにお金や時間をかけるかを考えるのが大変でした。
洋服のデザイン、スケジュール管理、関係者とのやりとり、Web周りのインフラ構築、ECサイト構築、商標登録、撮影ディレクション、キャスティング、カメラマンやヘアメイクさん・スタジオの手配、撮影画像のレタッチ、タグやブランドネームの制作、プレスリリースの配信や広報活動など、本当に多岐にわたる業務をこなすのがとにかく忙しかったです。
さらに、ブランドローンチとともにリアルイベントとして展示会も開催すると決めていたため、会場の選定や会場との打ち合わせ、空間レイアウト、什器の手配、ポスターやポップ・LOOKBOOK等の販促物制作、展示会案内用のランディングページ制作、ノベルティ制作等、リアルイベントならではの大変さもありました。
年明けにはコロナ感染再拡大もあり、無事開催できるか本当に気を揉みましたが、1/28・29の2日間で無事開催することができました。
結果、2日間でメディア関係者含め100名ほどの方にご来場いただけて、お客様の生の反応も見ることができたので、本当にやってよかったと思っています。

お仕事をしていて心からよかったと感じる瞬間を教えてください。

展示会でお客様に楽しんでいただけて、試着室から出て鏡をご覧になった時の高揚感を見て、本当にやってよかったと思いました。
始めたからにはやりきるしかなかったのはありますが、1枚も売れなかったらどうしようと夢に見るほどだったので、想像していた以上にご購入いただけてすごく嬉しかったです。
昨今のような緊急事態下ではどうしても不要不急扱いとなってしまうファッションの持つ力を私は信じています。
必要最低限でも生きていけるかもしれないけれど、自分が好きなものがあると心を豊かにしてくれて毎日が少し幸せになるような存在だと思っています。
それが少しでもお客様に届いたことにとても感動しました。
「最近人と会う機会も減って何を見てもあまり欲しいと思わなかったけど、久々に購買意欲が沸いた」というお声をいただけたことが、特に心に残っています。

どのような方法でブランドのアピールや集客をされていますか?

主にInstagramに力を入れていて、個人アカウントとブランドのアカウントそれぞれを運営しています。
個人のアカウントはもともとモデルをしていた時から活用していて、私が好きなファッションや世界観に共感くださる方にフォローいただいているので、男女ともに今回立ち上げたブランドにもフィット感を得てくださる方が多かったようです。
ブランドのアカウントは立ち上げとともに始めたばかりではありますが、個人アカウントは私のライフスタイル・ファッションを中心に発信、ブランドアカウントはブランドの世界観を伝えるものとして使い分けながら活用していく予定です。
ストーリーをまとったブランドにしていきたいので、作る上での私の理念だったり制作工程なども見ていただきながら、お客様とみんなで作っていくブランドにしたいです。
また、SNSはもちろんですが、広く世の中に伝えるためにはPRもすごく大事だと思っています。
個人事業主でプレスリリースを配信している例は少ないですが、そういった活動で信頼を積み上げることが大事だと思っているので、これからもSNS発信と並行してPR活動も続けていきます。
今回ありがたいことに、立ち上げ時に配信したリリースでメディアの方にも展示会にお越しいただき、取材していただくことができました。
デザイナー自らプレスリリースを配信、メディアへコンタクトされる方は見たことがないと言われ、そのあたりも面白がっていただけたようです。
個人の活動なのでメディアには相手にされないだろうと決めつけず、ブランドを広めるために少しでも可能性があることはなんでもやりたいと思い諦めずコンタクトを取った結果、少しではありますが成果を得ることができました。

感覚を磨くためにしていることはありますか?

自分が何に反応するか、を常に意識することを心がけています。
かっこいいと思った音楽、空間、動画、演出など、なんでもいいのですが、自分の中の「好き」の感度を大事にしています。
その人の「好き」の掛け算が世界観を創り出すことにつながると思うので、自分の「好き」をストックするようにしています。
アイデアは何かの掛け算、とよく言われている通り、完全にゼロから生み出すことって基本ないと思います。
デザインをする時には頭の中にストックしたイメージを掛け合わせてオリジナルのデザインを仕上げていくので、デザインしようとしていきなり何か閃くようなことはないです。
日常的にそういったアンテナを張り、「好き」をストックしていくことが何かを表現したり生み出したりする上で重要だなと、今回デザインをしていて改めて感じました。

デザインや制作をする上で大切にしている3つのポイントを教えてください。

●人の意見を聞きすぎないこと
いろんな人に意見を聞いて作ると、当たり障りのないものしかできないと思っています。
誰かには刺さるけどみんなには刺さらないものを作ることがブランドとしては大事だと思うので、時には思い込みで作ることも大切にしています。

●関係者とのコミュニケーション
服を作り販売するまでには、パタンナーさんや縫製工場さん、カメラマンさん、モデルさん、ヘアメイクさんなどなど、多くの関係者を巻き込みご協力をいただく必要があります。
会社ではプロジェクト全体を管理するリーダーとして働いているので、そのあたりのスキルはブランドを作る上でも役に立ったと思いますが、関係者に気持ちよくお仕事していただけるように段取りや気遣いをすることがとても重要だと思います。
何か仕事を依頼する時は、事前にイメージやスケジュールを共有するなど準備を念入りに行ったり、返事は必ず1営業日以内に返すなど、相手が困らないように気を配ることを心がけています。

●ありそうでないものを作ること
すでに巷に溢れているものは、あえて個人ブランドが作る必要はないと思っています。
メジャーではないけど、特定の趣味趣向を持った人には刺さるような、ありそうでなかったデザインを心がけています。

センスをよくするためのアドバイスはありますか?

私自身はセンスがいいかどうかという尺度では生きていないですが、よい悪いよりも、”スタイル”がある人はすごく素敵だなと思います。
何を着ていても、その人らしいなと思うエッセンスがあるかどうか。
それはきっと外見や服がどうかというより、どういう考えや思考で日々生きているかが滲み出てくるのだと思っています。
生きるスタンスのような確固たるものがある人は、何を着ていても自然にそういった雰囲気が出ているので素敵だなと思います。
あとは、ジャンルはなんでもいいのですが、「完成度が高くバランスがいいもの」を見るように意識しています。
音楽でも空間でも写真でも芸術品でも、人がこれはいい!と思うものって、あらゆる観点においてバランスがいいなという感覚があります。
それだけ完成度が高いものを見ることで、自然にバランス感覚が身に付いてくる気がしていて、写真の構図であったり、デザインや配色のバランスだったり、これはいい、これはイマイチ、という感覚がどんどん研ぎ澄まされていくような気がします。

お仕事とプライベートを両立するためにどのような工夫をしていますか?

プライベートと両立しなければ、という考えはあまりないですね。
ただ、意識的に余白の時間は作るようにしています。
平日は週5で本業、平日の朝晩と土日でブランドのことを進め、日曜日は服飾学校に通うという生活をしていますが、必ず毎日湯船に浸かりますし、ご飯も基本的に毎日作ります。
朝は愛犬と散歩したり、ストレッチをしたりもするようにしています。
気晴らしに遠出したりカフェに行ったり、映画を見たりは隙間時間でしているので、結果的に両立しているということになるのかもしれませんが、疲れたら休む、というサイクルを回せば自然と両立することになっていくのではないかと思います。

本業と副業の両立で工夫していることを教えてください。

常にその瞬間、目の前のことに集中することです。
週5日フルタイムで企画の仕事をしているので、平日の日中は所属している会社の仕事に集中していますし、逆に会社の仕事を終え自分のブランドの作業をしている時は、そちらに集中します。
その瞬間の集中力を高め目の前のことだけに全力を投じることが、複数のことを並行して進めていく上ではとても重要なことではないかと考えています。
また、会社での仕事とブランド立ち上げの準備では違った脳を使うので、相互にやることで脳がリフレッシュするような感覚があり、私の場合はあまり苦ではありませんでした。
全く違うことをやることで考えが煮詰まることも避けられるので、目の前のことに集中できるタイプの人には案外おすすめです。
違った脳は使いますが、これまで会社の仕事を通じて得たスキル(プロジェクトマネジメントなど)はブランドの準備でもかなり活かすことができましたし、逆にブランドでの活動を通じて改めて関係者との丁寧なコミュニケーションが大事だなと感じたので、その点は会社の仕事で今一度意識するようになるなど、相乗効果も感じました。

お仕事以外で最近夢中なことはありますか?

パフォーマンスを持続するために、体調管理、特に食生活にすごく気をつけています。
最近は漢方などの東洋医学やハーブ、スパイスなどを取り入れています。
日本だとあまりなじみがなく「スパイス=辛い」といったイメージですが、世界中で昔から薬としても利用されていたりと、スパイスの効能がとても奥深く、いろんなスパイスを使い、カレールーを使わないスパイスカレー作りにハマっています。
健康にいい以上に、とても本格的で美味しいカレーが短時間で作れるので本当におすすめです。
ハーブティーも、体を温めてくれるもの、女性ホルモンのバランスを整えてくれるもの、リラックス効果があるものなど多種多様な種類があって、フルーティーで飲みやすいものもたくさんあるので、いろいろと試しながら寝る前に飲むのが習慣化しています。

堀内さんのようなお仕事をしたい方は、まず第一に何を行うべきでしょうか。

私もそうでしたが、畑違いなことに大人になってから一歩踏み出すのって、すごく勇気がいることです。
いまさら遅いのではないか、周りになんて思われるだろうか、失敗するんじゃないか、と考えがちです。
でも失敗はないと思っていて、やりたいと思ったことをやれたら、結果がどうあれ必ず自信や経験として自分に蓄積されるので、全ての経験はプラスになります。
結果が思ったより出なかった時は、じゃあどうすればいいかを考えるだけです。
周りの目を気にしてやりたいことができないのはすごくもったいなくて、周りも自分のことでいっぱいいっぱいなので、そこまで誰も一人に注目していないと思います。
その壁を乗り越えられたら、まずは同じような志を持った方が集まるコミュニティや学校に入るとか、やりたい仕事をすでにやっている人に話を聞きにいくのがいいと思います。
関わる人が変わるとインプットが変わるので、環境を変えて意識的にインプットする情報をやりたい方向に近づけていくことで、自然に行動も変わってくるはずです。

いま目指している人に伝えたいこと・応援メッセージをお願いします!

一番の原動力は好きの力だと思います。
私も周りに「本業の仕事もありながら大変だったでしょ」と言っていただくのですが、確かに大変ではありましたが、頭の中にあるデザインが現実のものなり、誰かの手にわたるという過程は何物にも代え難いとても幸せな時間でした。
作業をしていても、好きな服を作っているので苦労を感じないのです。
そういった意味で自分の中の好きの原動力は強いと実感しましたし、作り手のエネルギーは必ず誰かに伝わると信じています。
私もまだ立ち上げたばかりでこれから続けていくことの方がずっと大変なことだと思っていますが、自分が好きで始めたことなので、モチベーションを無理に上げなくても自然に向き合っていけると思います。
やってみたいことがある方は、ぜひチャレンジしていただきたいです。
苦労はあっても、振り返るときっと幸せな時間になると思います。
活動内容

ADDIXY

『ADDIXY』は、"RealMode & Rock"をコンセプトとし、「中毒性のある(addict)刺激を日常に(daily)」をテーマに2022年1月新たに立ち上げたアパレルブランド。
ロックミュージックの世界にインスピレーションを得たハードなデザイン要素を多く取り入れつつ、大人の日常に溶け込むエレガントさをミックスした独自の世界観が特徴。
トレンドは追わずADDIXYならではの世界観を軸に、素材や品質にこだわった上質なアイテムを完全受注生産にて展開しています。
5月9日(月)〜15日(日)には、ブランド初となる期間限定POP UP STOREを有楽町マルイにて開催。
ジェンダーレスなデザインのユニセックス商品も多数展開。

拠点:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-16-12 LC1F
メールアドレス:saki_horiuchi@addixy.com

●Official Online Store
https://www.addixy.com ●YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCkFFog8_uUKLj4jK1W3h7Bg ●Instagram→@addixy_official
●Twitter→@addixy_official

プロフィール

堀内 咲季ほりうち さき

1989年7月19日生まれ。
大学時代に109系ブランドの販売員として3年間勤務。
京都大学卒業後、会社員として働きながら女性ファッション誌の読者モデルとして活動し、その後芸能事務所に所属。
現在は東証一部上場企業にて総合職として働きながら、パラレルキャリアとしてフリーランスでモデル業を継続。
年齢やライフステージが進むにつれて、好きなものよりも社会が求める像に合わせなくてはならない同調圧力に疑問を持ち、大人世代の女性がもっと自由にファッションを楽しめるようなブランドを作りたいという想いで2022年1月、服飾学校に通いながら自身がデザイナーを務めるアパレルブランド『ADDIXY』を個人で立ち上げた。

●Instagram→@saki.h912
●Twitter→@sakih719

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